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「頬かむりの中に日本一の顔」と称された関西歌舞伎界の第一人者、初代中村鴈治郎は、大坂新町の「扇屋」という古い格式のある遊郭のひとり娘"妙"(たえ)の子として万延元年(1860)出生した。この「扇屋」は、芝居の『廓文章』に登場する"扇屋夕霧"ゆかりの「扇屋」である。妙はその当時の名優、実川額十郎や初代実川延若等に伴われて出入りしていた若手役者の三代目中村翫雀と恋におちて身篭り、玉 太郎、後の初代鴈治郎を産み落とした。つまりこの中村翫雀という名は、初代鴈治郎の父のものであり、成駒屋にとり大変由緒深い名跡となるわけである。 |
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